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By ShureJapan |  Comment(s)

Shureとヤマハ:プロオーディオの未来に向けたパートナーシップ

Rob Fuhlbruggeにより2018年2月16日にWireless Systemsに寄稿

私は成人して以来、プロオーディオはいずれフルデジタル化されると確信してきました。そう考えるのは私だけではないはずです。Shureのようなプロオーディオ企業で働き、技術開発の視点から物事を考える電気技術者として、その実現に貢献することが私の仕事です。

私にとってさらにやりがいのある責務の1つは、ヤマハとの継続的な関係を育てていくことです。いずれもプロオーディオ業界大手であり、市場セグメントは基本的に同じであるものの、製品カテゴリーが異なり、補完的な関係にある2社は、互いに有用な技術を生かして自社の顧客に対する付加価値を高める機会に恵まれました。

2013年に完了した最初の共同プロジェクトでは、Dante™対応のShure ULX-D®デジタルワイヤレス受信機の認識とパッチングを、Dante Controllerソフトウェア不要で、ヤマハCLシリーズコンソールから直接行うことを可能にしました。その目標達成を弾みとして、ユーザーにとってより強力で効率的な作業環境の構築を共通の目標に、両社のコラボレーションをモニタリングとコントロールにまで広げるために必要な基礎が築かれました。この数年間、まさにその通りの状況が実現しています。

また先日には、チームの最新の取り組みとして、ヤマハのCL/QLシリーズ・ミキシング・コンソール用StageMix iPadアプリがShureワイヤレスシステムに対応したことを発表しました。これは、ライブ・サウンド・エンジニアが会場内のどこからでも作業できるようにすると同時に、共通のコマンドプロトコルに基づく信号チェーン全体の統合に向けた新たな一歩です。

共に未来に向けて

こうしたコラボレーションは、プロオーディオ業界では特に新製品に関する場合はまれです。潜在的な競争相手と知的財産を共有するには、適切な状況と多大な努力によって得られた相互信頼が必要だからです。

幸いなことに、両社にとって状況は理想的でした。Shureがマイクロホンとワイヤレスシステムのメーカーであるのに対し、ヤマハはミキシングコンソールとデジタル信号処理に力を入れていたからです。また、両社共に製品ラインの主要部分がデジタル分野であることに加え、Danteネットワーキングを採用していたこともあります。

何より、Shureとヤマハはオーディオの未来に対するビジョンを共有しており、その実現に向けて先陣を切りたいと考えています。一方の会社の製品によるもう一方の会社の製品のコマンドとコントロールと言っても、あまり重大なことのように聞こえないかもしれません。しかし、これは単にプログラミングコードを開発したり取り引きしたりすればすむ問題ではなく、むしろ真のクロスエンジニアリングプロジェクトと言えます。チームは日本と米国と行き来しながら、力を合わせて解決策を打ち出しています。これは言葉や文化の違いを考えるとすごいことです。

共同開発における大きな節目の1つとして、両社の製品間の通信プロトコルにACN(Architecture for Control Networks)を採用することで合意したことが挙げられます。ACNは、IP経由で動作するオープン・ソース・ソフトウェアとして利用できます。

この数年間、ACNの効率を大幅に高めるべく基本コードに改良を加えてきました。そのおかげで、より高度な機能をネットワーク経由で実現できるようになっています。その改良版ACNを使用して、Wireless Workbench®ソフトウェアShurePlus Channelsアプリを介して通信するShure RF製品のコントロールシステムの開発を行っています。ここで重要なことは、オープンスタンダードとの互換性をすべて維持していることです。

その点については、このコラボレーションを通じて重点を置いてきました。オープンスタンダードに従わなかった場合、おそらくは再設計という形で、後で痛い目に遭う可能性が高いことがわかっているからです。率直に言って、そんな二度手間を望む人もいなければ、その必要もありません。

そのため、基本的には、ブランドを超えたシステムコントロールの概念実証のような役割を果たすデファクトスタンダードを生み出すことを目指しています。それは、Shureのワイヤレス製品とヤマハのコンソール製品を組み合わせて使用している大勢のユーザーにとっても大きなメリットとなります。さらに、すでにShureがそうしているように、志を同じくする他の企業とのコラボレーションの機会にもつながります。

ヤマハのStageMixアプリは、すでにライブ・サウンド・エンジニアが会場内のどこからでもステージモニターの調整やハウスミックス設定の微調整を行うために不可欠なツールとなっています。最新のStageMixバージョン7では、QLXD4およびULXD4受信機のモニターとコントロールも可能になっています。つまり、Wi-Fi接続とiPadさえあれば、コンソールやラップトップに張り付いていなくても、会場内のどこからでも自由にShureワイヤレスシステムのモニターや調整を行えるようになるということです。

この新機能の追加により、各ワイヤレスチャンネルの入力をまるでワイヤードマイクロホンのようにアプリからリモートコントロールできるようになり、エンジニアのワークフロー改善につながります。これは、ほとんどのRFシステムではできないことです。さらに、Shureのネットワーク対応ワイヤレスシステムの電池残量や信号強度などの確認も行えるようになります。これはよいことであり、正しい方向への新たな一歩です。

私たちの目標は、入力から出力までのシームレスで直感的な集中型のモニタリング、コマンド、コントロールによる基本的な相互接続性という、オーディオの未来に向けた取り組みにおいてリーダーシップをとることです(もちろん、マイクロホンメーカーとして、Shureの目は常に入力に向いています)。ヤマハという同様に先進的な考え方を持つ企業と、共に指導的役割を果たすべく協力できることを誇りに思います。それにより、お客様やチャンネルパートナーを引きつけると同時に、自社の開発陣によい刺激を与えたいと考えています。

すでに、プロフェッショナルオーディオの音響的な改善とより効率的で直感的な運用を実現するツールや技術の開発において、大きな進歩を遂げています。ユーザーがオーディオに関するあらゆるアイデアをスムーズに実現できるようにする強力で柔軟なツールがある世界に向けて、引き続き前進していきたいと思います。

その一端を担うことに心が躍ります。これで終わりということはありません。今後もご期待ください。

注意:この記事に含まれる会社名、製品名、およびロゴはそれぞれ各社の商標です。

Rob Fuhlbrugge
Shureのエンジニアリングおよび製品開発担当シニアディレクター。2001年にShureに入社。

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