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By ShureJapan |  Comment(s)

レコードプレーヤーの針交換

マイケル・ピーターセン により2017年2月16日 にEducationに寄稿

オーディオ愛好家やDJ達だけが守ってきたレコード盤が、今また脚光を浴びようとしています。CDがデジタルダウンロードに道を明け渡したこの時代に、古き良きLPレコードが実は密やかにその復活を遂げているのです。

その人気の理由が、誰もが認めるその暖かなサウンドにあるのか、それとも実際に手で触れることができるという体験からくるのかは定かではありません。しかし数十年にわたって売り上げ数が減少していたレコード販売がここにきて右肩上がりなのは紛れもない事実です。

高級ターンテーブルに大枚をはたいた人もいれば、ガレージセールで中古品を見つけてきたという人もいるでしょう。しかし皆それぞれに、世界中で沸き起こっているレコードブームの一端を担っています。そしてレコードを回し始めれば、それが新品の180グラム盤であっても父親の古いレコードコレクションであっても、いずれはレコードプレーヤーの針、つまりフォノ・カートリッジ・スタイラスの交換が必要となってきます。

Shureは今でこそマイクロホンの製造で有名ですが、実は世界で最もクオリティの高いフォノ・カートリッジ・メーカーとしても長年にわたりその名を馳せている企業です。Shureはなんと1930年代から2,000種類以上のモデルを生産しているのです!

スタイラスについて

フォノ・カートリッジの一番大切な部分はスタイラス(針先)です。スタイラスチップは極めて硬い素材、通常は工業用ダイヤモンドから製造され、これがレコードの溝をトレースします。その振動がフォノ・カートリッジの内部にある磁気回路を通じて電気エネルギーとなります。すなわち、オーディオ信号を生みだすために必要なものはすべてこの中にあるのです。

LPの両面の溝は合計すると約460mもの長さになります。これを何度もトレースしていれば、必然的にスタイラスもレコードも摩耗し始めるため、プレーヤーの針はいずれ交換が必要となるわけです。

スタイラスの磨耗

スタイラス交換の目安は次の通りです。

1.再生時間が合計1,000時間を超えたとき

メーカーによって異なりますが、Shureのスタイラスの平均的な使用時間は800~1,000時間としています。これはLPでおよそ1,500枚分(一枚の平均再生時間40分)です。しかしスタイラスの寿命はいかにそのスタイラスとレコードが手入れされているかによっても変動します。

2.音質の劣化

一般的にスタイラス交換の最初のサインは高域のロスです。さらに経過すると音が歪んだり不明瞭になります。こうなるとスタイラスがレコードを傷めてしまう恐れがあります。

3.視認できるスタイラスの曲がりや摩耗

摩耗が目で見てもわからない場合、ルーペや拡大鏡で見てみましょう。

スタイラスをカートリッジの本体から外すと観察することができます。スタイラスチップの摩耗を観察するには200倍以上の倍率の顕微鏡が必要です。

新しいターンテーブルを購入してレコードをかけているなら、カートリッジ全体ではなくスタイラスの交換だけでも十分でしょう。どのスタイラスが適合するかは、カートリッジのモデル名で確認しましょう。

しかしレコードプレーヤーが古かったりビンテージモデルでアップグレードが必要な場合は、カートリッジ自体を交換するのがよいでしょう。この場合、オーディオショップやオンラインショップで購入する前に、次の点について調べておきましょう。

カートリッジを交換する

次の点について確認してください。

1.カートリッジのマウントの形状は?

2種類あります。業界標準タイプがほとんどですが、ビンテージのターンテーブルではPマウントカートリッジが使われている場合があります。

2.忠実性の選び方

大半のリスナーやオーディオ愛好家には、楕円針が一般的なチョイスでしょう。レコードの摩耗が気になるDJの皆さんの場合、円錐針が典型的なチョイスです。

3.所有しているのはどのようなレコードか?

たとえば、78回転レコードのコレクションを持っている場合は、広い音溝幅用のカートリッジを選びましょう。

4.予算は?

フォノ・カートリッジの価格は50ドルの一般リスニング用から何千ドルというオーディオ愛好家向けのハイエンド・カートリッジまで多岐にわたります。それにターンテーブルのクオリティも関わってきます。75ドルのUSBレコードプレーヤーを使用しているなら、200ドルもするカートリッジを購入する必要はないでしょう。

Shureのフォノ・カートリッジをご覧になるにはこちらをクリックしてください。

メンテナンスのヒント

レコードとスタイラスをきれいに保つことで、どちらの寿命も長くなります。様々なソリューションを提供するオンラインリソースからの製品が市場にあふれています。何千ドルもするレコードクリーニングマシーンといったものまで存在します。ここで大事なのは、ターンテーブルのセットアップの中で一番大事なのは針とレコード自身であり、そのどちらにも埃が付くということです。レコードを聴いた後は毎回クリーニングするのが基本です。

そして同じく重要なのが、ターンテーブルメーカーの推奨に従って、トーンアームバランスとトラッキングフォースを調整することです。正しい角度を保っていれば、マイケル・ジャクソンのビンテージ・アルバム「スリラー」だって、何年にも渡って最高の音質で楽しむことができますからね。

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マイケル・ピーターセン

子供の頃からクリスタル・ラジオ・セットを作っていたというマイケル・ピーターセンは、当時から音楽、サウンド、そして音響技術に魅力を感じ、現在ではShureのコーポレートヒストリーのディレクターを務めています。1976年以来Shureに努めている彼は、1,550ページにも及ぶ参考文献として名高い「Handbook for Sound Engineers」の寄稿者であり、また多数のプロオーディオ用技術文書も著作しています。仕事以外の場では、マイケル自身もプロのミュージシャンであり、合唱隊の編曲作家、ジャズ・ギタリスト フレディ・グリーンのバイオグラフィーの共同著者、そして極めて話し上手な男として知られています。

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