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ワイヤレスオーディオソフトウェアのトレンドとShureのアップデート

サム・ドレイジンにより2017年1月31日にEducation Newsに寄稿

ユーザーのワイヤレス管理プロセスの効率性をさらに高めるため、Shureはそのソフトウェアソリューションを常に改良し続けています。最近の改良は、デバイスモニタリングと周波数コーディネーション用のデスクトップアプリであるWireless Workbench® 6の新リリース、そしてデバイスモニタリングおよびコントロール用のiOSアプリShurePlus™ Channelsのリリースにつながりました。これらの新リリースは「接続性」、「コントロール性」、「診断」、「モビリティ」というユーザーの4つの主要ニーズに応えています。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

接続性

テクノロジーが進化するにつれ、オーディオ製品のネットワークとの接続性はハイエンド製品市場に限られたものではなくなりました。より幅広く、より低価格な製品もこの性能を搭載し、またこれらの製品が接続される環境も拡大を続けています。ビル、会場、あるいはキャンパス全体における接続性は、デバイス構成と管理に新たな機能性の実現を提供します。

アップデートされたShure Wireless Workbench 6(バージョン6.12)では、サブネットを超えた、すなわち小さなサブネットワークを用いて大規模なエンタープライズネットワークの分割管理を行う場合における、対応デバイスのモニタリングとコントロールを可能にするネットワーク性能が追加されています。この機能により、システム技術者やビル管理者は、例えばキャンパス内の各校舎に広がるワイヤレスオーディオ設備のモニターが可能になります。ワイヤレスオーディオシステムの管理を一元化することで、管理者は大規模に展開されている設備のモニターが可能となる上に、問題点を遠隔診断し、時間と経費を節約してストレスも軽減することができます。「使用できないマイク」のチェックのためにキャンパス中を走り回らなくとも、管理者はWireless Workbench 6.12に接続して遠隔トラブルシューティングを行い、バッテリー切れなのかRF干渉なのかを見極めることができます。

コントロール性

システムの接続性が拡大するにつれ、その他の要素も増加します。それは接続できるコントローラー(ユーザー、ソフトウェアアプリケーション)とそれらが起こすエラーの数です。どこからでも何でもできるのは確かに素晴らしいことですが、それが重大な障害を引き起こすしてしまうかもしれません。

ワイヤレスオーディオにおいては、オーディオプロフェッショナルは、特に主要な操作パラメーターとなる周波数、送信電力、出力レベル/ゲインなどに対して意図しない変更がされないようにすることに大変な注意を払っています。そこでWorkbench 6.12ではアクセスコントロール機能(アクセスコントロール)を搭載しました。これはShureソフトウェアアプリケーションからの変更を実行する前に、ネットワーク上のShureデバイスに対する認証を求める機能です。

アクセスコントロールに対応するのはAXT(ファームウェア1.17以降)、ULX-D® Digital(ファームウェア2.0以降)PSM1000(ファームウェア1.4以降)で、ワイヤレスオペレーターはこれらのユニットに対してPIN(数字の認証コード)を割り当てることができます。PINを設定すると、Shureソフトウェアアプリケーションによるこれらのデバイスへの完全なモニタリング権限は維持されますが、認証コードの入力なしにデバイスパラメーターに変更を加えることはできません。

例を一つご紹介しましょう。管理者が会場の共用コンピューターにWireless Workbench 6.12をインストールし、このコンピューターで毎日技術者たちが作業を行うものとします。技術者たちはWWBのチャンネルストリップやタイムラインを通じてワイヤレスシステムの状況を確認することができますが、アクセスコントロールを用いることで彼らが詳細に構築されたシステムのパラメーターを誤って変更してしまう恐れはなくなります(タイムラインの詳細については後程ご紹介します)。

アクセスコントロールはShurePlus Channelsのアップデートバージョン1.3でもサポートされています。ワイヤレスオペレーターや技術者へはコントロールを渡すことなく、彼らがどこからでもモバイルデバイスによるモニタリングできるツールを提供することができます。

診断

技術者が自分が購入した物ではない機材を構成する必要がある場合、あるいは管理者が自分が壊したわけではないボディパックを直さなくてはいけない場合、そのようなときにこそ真のエンジニアリングスキルが発揮されます。その際に最も役立つのが問題の原因の正確な診断につながるツールです。

ワイヤレスオーディオシステムの場合、原因になり得る事象は数えきれないほどあります。アンテナの配置ミス、RFケーブルの破損、RF分配の不適切な構成、不正確なフィルタリング、不適切な送信出力設定などはその例の一部でしかありません。しかも、完全に「正常」なワイヤレスシステムであっても、問題が発生したときとまったく同じ状況を再現することが不可能なRF干渉などの影響を受けることもあります。

タイムラインは、Wireless Workbench 6.12の新機能で、Shureネットワーク上にあるワイヤレスシステムの主要チャンネルパラメーターを記録、視覚化できる包括的なデータログユーティリティです。タイムラインは、大規模なワイヤレス設備のデータ、たとえばRFやオーディオのレベル、電池残量などのパラメーターの状況を捉え、長期間にわたって記録できます。タイムラインは、重要なイベントに対しマーカーによる注釈をつけることも可能です。これはウォークテストを行うとき、マイクロホンの送信機が控え室や会場の受信機から遠いところにある場合にも使用できます。これらの注釈をデバイスで自動にしておくことで、動作中の接続されたワイヤレスシステムの周波数や送信出力の変更を捉えることができます。

このツールにより、ユーザーは動作中にワイヤレスシステムがどのような状態であったかをこれまで以上に知ることができます。ユーザーはこのデータを精査することで、システムパラメーターやハードウェア構成を微調整してワイヤレスパフォーマンスを最適化することができます。例えば、送信出力やアンテナ配置を変更したらモニターを行い、使用中に期待通りのRFレベルが記録されなかった場合に変更することができます。タイムラインによりワイヤレスオペレーターは問題の原因究明にかける時間を節約し、その解決にもっと時間をかけることができます。

モビリティ

オーディオ業界におけるモバイルアプリの出現は、オーディオプロフェッショナル達に過去に類を見ないほどのパワーを与えています。演者の場所からモニターミックスを調整できたり、会場に向かう途中で電池残量低下警告に対応できたりと、モバイルアプリが接続されたオーディオシステムに行えることは増えています。

ShurePlus Channels iOSアプリは、ネットワーク接続されたShureワイヤレスシステムに対するモニタリングとコントロールを提供します。アップデートバージョン1.3では複数のワイヤレスチャンネルのチャンネルステータス情報を一度にモニタリングできるようになりました。このダッシュボード表示により、ワイヤレスオペレーターは複数のシステムの重要なステータス(RFおよびオーディオメーター、送信機電池残量)を一目で確認し、クリッピングや送信機がドロップアウトしてゼロになったチャンネルを発見できます。

おわりに

ソフトウェアアプリケーションは細かく時間のかかる作業の効率を高め、複雑な作業をシンプルにし、オーディオ技術者の精確性、アクセス、柔軟性を高めることができます。スペクトラムレギュレーションの変化、オーディオネットワークプロトコルの出現と相互接続されるシステムの拡大の中で、Wireless WorkbenchやShurePlus Channelsといったソフトウェアは、オーディオエンジニアを成功に導く大きなカギとなるでしょう。

アップデート概要

Wireless Workbench 6.12 システムコントロールソフトウェア

バージョン6.12には新たなレベルの管理と診断を可能にする機能が搭載されています。

  • 周波数コーディネーションツールの拡張により、多チャンネル運用時のチャンネル数のリミットを押し上げます。
  • アクセスコントロールにより、オーディオエンジニアはサポートするデバイスをPINで保護して、デバイス構成やプロパティを変更できるユーザーを管理できます。
  • リモートデバイスコネクションによりサブネットを越えたデバイスをモニタリングおよびコントロールを可能とし、大型の設備におけるワイヤレス管理を一元化できます。
  • プリセットとしてデバイス構成を登録することで、パラメーターセットを素早くデバイスに反映できます。
  • タイムラインがネットワーク接続されたワイヤレスシステム向けの拡張されたログ機能を提供し、時間軸に伴うRFパフォーマンスを可視化します。

2017年6月にバージョン6.12.2がリリースされ、AXT Digitalの受信機とADシリーズ送信機などのサポートを開始しました。
バージョン6.12.2のダウンロードはこちら

ShurePlus Channels バージョン1.3 iOS 用モバイルアプリ


バージョン1.3は、モニタリング、オーガナイズ、主要チャンネルパラメーターへのアクセス性能を向上しました。

  • ダッシュボードにより、複数のチャンネルのRFとオーディオメーターおよびアクティブな送信機の情報を一つの画面に表示します。
  • アクセスコントロールにより、オーディオエンジニアは対応するデバイスをPINで保護し、デバイス構成やプロパティを変更できるユーザーを管理できます。
  • グループにより、ユーザー設定に基づいたチャンネルの色分けと整理ができます。

2017年8月にバージョン1.4がリリースされ、AXT Digitalの受信機とADシリーズ送信機のサポートを開始しました。
バージョン1.4のダウンロードはこちら:App Store

サム・ドレイジン
サムはShureのソフトウェア製品のプロダクトマネージャーです。マイアミ大学(フロリダ州コーラル・ゲーブルス)のミュージックエンジニアリング部を卒業したサムは、彼自身が毎日愛用している製品に関わる仕事に就いてとても嬉しく思っています。仕事以外の時間にはジャズコンボでピアノ/キーボードを弾いたり、世界中の素材と新しいキッチン用具を使ってクッキングを楽しんだりしているそうです。彼はインターンとしてShureに入り、その後2010年から正規の社員として勤めています。

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