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By ShureJapan |  Comment(s)

オーディオファンがコンデンサー型に惹かれる理由

ショーン・サリバンにより2018年1月11日に寄稿

もしあなたにオーディオファンの友人がいて、コンデンサー型のスピーカーやヘッドホンの話題になったら、きっと目の色を変えてこう言うでしょう。「コンデンサー型はいいよ!今まで聴いてきた音とは次元が違うからね!二度と普通のイヤホンには戻れなくなるよ!」

コンデンサー型のヘッドホンやスピーカーはディストーションが極めて少なく、圧倒的にクリアでディテールに富んだサウンドで定評がありますが、長年ハイエンドのホームリスニング製品に限られてきました。そんな中、Shure がKSE1500コンデンサー型高遮音性イヤホンシステムを発売したことで、コンデンサー型はついに限られた世界を飛び出し、より多くの人々が様々なシーンで楽しめる製品になりました。とはいえ、必要な構成部品を小さなイヤホンの中に組み込むのは決して容易ではありませんでした。

これについてはShureに所属する私だけではなく、オンライン誌『Digital Trends(英語)』のRyan Waniata氏も「ShureはKSE1500という、とんでもない製品を生み出しました。コンデンサー型トランスデューサーの超小型化に伴う複雑な、しかも実に厄介な技術的な問題があるとわかっているにもかかわらず、インイヤー型のドライバーとして開発すると決め、それを実現したのです」と述べています。

コンデンサー型製品の特長

コンデンサー型ヘッドホンは音の発生原理が通常のスピーカー/ドライバーとはまったく異なります。コンデンサー型ドライバーは極めて薄い膜でできたダイアフラムを帯電した2枚のプレートで挟んだ構造になっています。このダイアフラムは質量がほぼゼロという極小サイズで、静電界の中で、余計な力をかけることなく超精細な動きで振動し、可聴音波を発生させます。

コンデンサー型には、音声信号を十分に増幅させるための専用のアンプが必要になる一方で、ダイナミック型(標準的なコーンスピーカー)や、多くのインイヤーモニターに採用されている、いわゆるバランスド・アーマチュア型のドライバーに比べると、いくつかの利点があります。

歪みのないサウンド

質量が大きく、複数の機械部品を含む従来のダイアフラムとは異なり、コンデンサー型にはダイアフラム以外に可動部がありません。ほぼ質量ゼロのダイアフラム表面にはDC200Vの定電圧バイアス電荷が供給されていて、静電界によってダイアフラム全体に均一に磁場を発生させることができます。このためコンデンサー型イヤホンは、設計都合上ある一定の箇所に固定された機械部品によってダイアフラムを駆動する、標準的なダイナミック型ドライバーやバランスド・アーマチュア型ドライバーのように、機械部品の駆動によって生じる音の歪み、ほんの僅かな偏り・揺らぎというものがありません。

再生周波数帯域

コンデンサー型ダイアフラムはその物理的特性により、ひとつのドライバーで非常に広域の周波数帯域を再生することができます。ダイナミック型やバランスド・アーマチュア・システムを採用したイヤホンは多くの場合、求める周波数特性を得るために複数のドライバーが必要になります。マルチドライバーシステムは最近ではごく一般的になっていますが、位相の問題が起こりやすく、周波数特性に不要な偏りが生じる原因となります。音の良いマルチドライバーイヤホンは数多くありますが、コンデンサー型イヤホンはシングルドライバーというシンプルな構造のため、位相関連のフィルター効果やその他の音響的な歪みが一切発生しません。

Stereophile(英語)』誌のJohn Atkinson氏は、Shureのコンデンサー型イヤホンシステムについて記事中で「クリアな低域、一聴して自然で透明感のある中域、そして特にインイヤー型ヘッドホンだからこそ実現できた高域の伸びを兼ね備えている点がすばらしい」と評しています。

トランジェント特性

コンデンサー型イヤホンのダイアフラムは質量がほぼゼロです。そのため、機械駆動のダイアフラムに比べてとても素早く振動します。その結果、他の従来型スピーカーでは絶対に実現できない、圧倒的に明瞭かつ高解像度な音源再生を可能にします。

John Sciacca氏はAV業界誌『Residential Systems(英語)』に掲載されたKSE1500のレビュー記事の中で、「楽器、演奏者、あるいはその他の細部の微細な違いを聴き分けることができます。実は目を閉じて試聴している間、ふと気がつくと、意識を集中させたい演奏者の方向を “見ていた” ということが幾度となくありました」と述べています。

音源への忠実性

コンデンサー型のドライバー設計は、元々の音源への忠実性・再現性が最も高い方法でもあります。KSE1500イヤホンシステムは特定の周波数帯域を誇張することなく、唯々忠実に音源を再現します。もちろん、これには一長一短があるかもしれません。完成度の高い音源であれば間違いなくすばらしいサウンドを得ることができ、演奏者・制作者が意図した通りの音で、音楽を聴くことができます。しかし、もし録音環境や音源のクオリティが低い場合、このイヤホンの圧倒的な明瞭性と解像度があだとなって、音源の粗が目立ってしまうことも考えられます。

ウェブサイト『Technabob(英語)』を運営するPaul Strauss氏は「Shureの“コンデンサー型イヤホン”のすごいところは、聴き慣れているはずの曲でも、聴くたびに様々な微細な音が明瞭に聞こえてきて、毎回新たな発見があり、驚かせてくれるところです」と書いています。

開発にかけた年月と努力に値する製品

Shureは8年もの歳月を費やしてKSE1500コンデンサー型イヤホンシステムを完成させました。長いと思うかもしれませんが、KSE1500が提供するリスニング体験を考えれば、オーディオファンたちから “究極のオーディオリファレンス” と評されていることにも納得がいくはずです。KSE1500が生み出す音の正確性、明瞭性とディテールは他の追随を許さないレベルであり、まさに「百見は一聴に如かず」です!

高遮音性(Sound Isolating™)イヤホンと専用DACアンプで構成されたKSE1500コンデンサー型高遮音性イヤホンシステムは、ポータブルメディアプレーヤー向けに設計されており、Mac、PC、iOS、およびAndroidデバイスに対応しています。

ショーン・サリバン
Shureのイヤホン/ヘッドホン製品担当グローバル・プロダクトマネージャー。コロンビアカレッジ・シカゴで音響工学の学士号を取得後、2005年にShureに入社。現在は、ショーン自身も日常的に使用するコンシューマー製品の開発チームのメンバーとして活躍しています。オフの時は4人組バンドのメンバーとしてシカゴ都市圏で活動するほか、地元の野球場で妻と一緒に息子の応援をしています。

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